子供の上手な褒め方は?


子供はたくさん褒めて育てるべき?それとも褒めすぎはよくないの?いったいどっちなの?

自分の子供が何か出来た時、例えば絵が上手に描けた時、逆上がりが出来た時、お友達に優しくできた時、皆さんはどんな風に子供を褒めていますか?

日本人とアメリカ人の親を見比べると、褒め方にも大きな文化的違いを感じます。私の勝手なイメージで言うと、日本人の親は「すごいね〜、よくできたねぇ。」と頭をなでなで。特に公の場では他の人の目もあるのでやや遠慮気味に褒める感じ☺️

一方アメリカ人は褒めのアクションがすごい。かける言葉もかなりの種類があって

“Wow!”
“Good job!”
“Wonderful!”
“Awesome!”
“Amazing!”
“I love it!”
“Give me a high five!”

そうした色とりどりの表現に身振り手振りも加わるので、日本人とは全然違います。褒め上手だな〜と感心することもあるのですが、時には「それはさすがにやりすぎでは?」と思う時も…ここだけの話ですが😅

そしてとっておきの殺し文句は

“I’m so proud of you.”✨✨✨

「誇りに思うよ」なんて私たち日本人はなかなか言えることではありませんね。言われた子供の方も「ママ、それはちょっと重いよ」となりそうですよね😁

小夜子がポートランド餅つきフェスティバルで作ったミニ弁当。

私の職場の保育園ではどうかというと、実はこの「褒める」ということに対して先生たちは意外に消極的です。

クラスルームでは、よくアートワークをします。我が園ではよりOpen Ended(決まった答えのない)なアートをやります。つまり作品のお手本がないのです。例えば、紙とインクと松ぼっくりとボタンを置いているだけで、それで何をするかは子ども次第というわけです。Sensory Artとも呼んでいます。創作意欲をくすぐるようなアートのことです。

特に4、5歳になると顕著になるのが、親や先生に作品を褒めてもらおうと何かをよりきれいに作ろうとすることです。たまに私が子どもと一緒にアートテーブルに座ってやろうとすると、私が作っているのと全く同じものを作ろうとする子どもがいます。決して悪いことではないのですが、意図せずも子供達に「お手本」を与えてしまうと、子供たちの創造力に限りを作ってしまいかねかせん。

子供達はよく何かを作ると”Do you like it?”と聞いてきます。

“Wow!  I LOVE it!  You’re such an artist!”(わぁ、すごいいいよ。あなたは本当に芸術家ね!)

褒め上手のアメリカ人ならそういった言葉をかける場面かもしれません。でも、もし家庭でも学校でもこういったカラフルな褒め言葉に慣れてしまうと、子供達はいつしかその言葉をもらうことを目標にしてしまいます。大人が喜びそうなものを作ろうするようになるのです。

これも決して悪いことではないのでしょうが、子供達には子供達自身が本当に作りたいものを作ってほしいのが、我が園の信念です。オリジナルであること、他と違うことを誇りに思ってほしいのです。ですので、「わー、本当に上手ね~!」という代わりに、こんな風に言います。

“I noticed you glued a pine cone and a button together and painted over it with blue.”

「松ぼっくりとボタンをのりでくっつけて、その上に青色を塗ったんだね?」

といった具合です。作品をじっくり観察してあげて内容を具体的に描写しているだけなのです。すると子供達の中で何かしらインスピレーションが浮かんで、ストーリーが生まれてくることがあります。そしてウキウキして次の作品にとりかかります。

絵本作家の五味太郎もいつかのインタビューでこんなことを言っていました。

絵を描いている子どもに「何を描いているの?」はタブー。本当は抽象かもしれないし、ただ色を楽しんでいるだけかもしれないのに、多くの「いい子」は「なんかいわないとこの場がまとまらないな」って思って答えてしまう。子どもは大人に愛され、可愛がられようとするからね。

(http://digital.asahi.com/articles/ASH1Z4WWCH1ZPTFC010.html 2015年2月17日朝日新聞朝刊「何を描いてるの?って聞かないで」)

小夜子のステップママになって8年。お互いなくてはならない存在になった。

子供は大人がどんなことを言えば喜ぶだろうかとか、どうすれば褒めてもらえるだろうか、経験からどんどん学び取っているのでしょうね。私も小夜子が小さい頃、お手本通りにできたことを褒めたり、色塗りが線からはみ出てないことを褒めたりよくしていました。今の職場で働くようになってから、もっと小夜子がのびのび作りたいものを作れるように接すればよかったなと後悔しました。今でも、例えば小夜子(現在11才)と一緒にクッキーを焼いたり、縫い物をしたりするとき、私がやっているように出来なかったら小夜子が不満そうにすることがあります。これが私が今までかけてきた言葉、接してきた態度の結果なのかな、と思います。ごめんね、小夜ちゃん😢

最後に、先に触れた”I’m so proud of you.”について。あるアメリカ人の友人は3人の子供のママで、子育てのことで時々一緒に話をするのですが、彼女はこの”I’m so proud of you.”をあえて子供達には言わないんだそうです。

「子供も立派な個の人間なのに、この言葉を言うとなんか『あなたは私の所有物ですよ』って言ってるみたいで違和感がある。」

こんな考え方のアメリカ人もいるんだな〜と驚きました。子供のことを誇りに思うこと、自慢に思うことは親であれば色んな場面であるとは思います。でも、それを口にすることは、親の価値観の枠に子供を押し込めることになりかねないのかもしれません。

それに子供って、言葉がなくても大人の嬉しそうな笑顔を見ていると、わかるものなんですよね、褒められているんだなぁって。親としても教師としても、子供に対する自分の影響力がいかに多大か、常に肝に銘じていようと思います。

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