「女子力」を英語に訳すと?


突然ですが!

最近よく聞く「女子力」って言葉、皆さんならどうやって英語に訳しますか?

文字通りに訳せば、Girl PowerとかWomen’s Powerとなります。ちなみにGoogle Translateの訳はGirl Power。

果たしてこれは正解なの?

「女子力」の意味がイマイチよくわかっていない私はネットで調べてみました。コトバンクによると「女子力」とは

女性が自らの生き方を向上させる力。また、女性が自分の存在を示す力。

[補説]平成21年(2009)ごろからの流行語。明確な定義はなく、女性らしい態度や容姿を重んじること、女性ならではの感覚・能力を生活や職業に生かすことなど、さまざまな解釈で用いられる。

だそうです。

定義や解釈は一定せず使い方は人それぞれのようですが、男性に抑圧された女性を結束して立ち上がらせるGirl PowerとかWomen’s Powerといった言葉とは明らかに意味合いが違うことがわかります。なので

不正解!

では、正解はなんでしょうか。オンライン辞書weblioでは一番目に出てくる訳はやはり、

women’s power;girl power

なのですが、2番目に載っている次の訳がしっくりきます。

women’s level of motivation in fashion, makeup, taste in clothes, etc,; femininity

逆にこれを日本語にすると「女性のファッションや化粧、服の趣味におけるモチベーションのレベル。つまり女らしさ」。

なんなら、これに「料理や掃除におけるモチベーション」も加えた方がよさそうですよね。とすると正解は

women’s level of motivation in fashion, makeup, taste in clothes, cooking, cleaning, etc.; femininity.

ということですね。「女子力」は一言で言えば結局はfemininity(女らしさ)。まさしくGirl PowerやWomen’s Powerが求めるものと真っ向対決ということになります⚡️

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今、なぜこの「女子力」という言葉が多用されているのでしょうか。女子力の意味を調べるうちに頭に浮かんだのは今や死語ともいえる「ぶりっ子」という言葉です。

これは2004年の話ですが、私がボストンで学生だった頃、ハーバード大学の東アジア研究学部がおもしろい学会を開いたので聴きに行ったことがあります。テーマはクールジャパン。「クールジャパン」という言葉がアメリカでちょこちょこ聞かれ始めたのがその頃でした。ハローキティがアメリカで大流行し、ファッション、アニメ、電化製品、食文化、様々な分野において日本が注目を浴びていました。

その学会では、あるアメリカ人の白人女性の研究者が、「日本のぶりっ子について」の研究発表をしました。彼女はパワーポイントに松田聖子のデビュー当時の写真を写し出して、「これが『ぶりっ子』の元祖です」と説明していました。一番興味深かったのは、ぶりっ子が日本社会に存在する理由の解説です。

「日本は家父長主義が未だ根強い。社会に出て働く女性たちは、立場の強い男性の前でぶりっ子になることで、抑圧された環境においてもより自分の地位を優位にしようとしているのだ」。

日本人の私としては、ぶりっ子の起源や派生理由を考えたことはなかったので、「なるほど〜」と興味深く聞いていました。そして、その研究者が「ぶりっ子はどのような振る舞いをするか」を実演した時はたくさんの人が笑っていました。「いやだぁ、もお!」と、声をオクターブ高くして、キャピキャピな感じの口調を真似ていたのですが、彼女がいうには、「これ、日本人女性だけではないですよね。アメリカ人女性もします。」だそうです。

確かに、ボストンで一緒に住んでいたアメリカ人ルームメートはかなりハードコアのフェミニストでしたが、彼女が男性の前でいわゆる女性らしい振る舞いをしてびっくりしたことがありました。やっぱりアメリカ人女性もするんです!たとえハードコアのフェミニストであっても!なんだかちょっと安心したのを覚えています😊

「ぶりっ子」の派生から約40年。働く女性が増えて、女性が以前より自立した世の中になったという側面はあります。「女子力」という言葉の多用は、それへの反動として、女性をまたステレオタイプ通りの女性らしさの枠にはめようとする社会の動きなのかもしれません。

上記の研究者が語った「ぶりっ子」の分析が正しいとすれば、女性は「ぶりっ子」になりたくてなっているわけではなく、社会でうまく生きていくために止むを得ず、という感じがあります。

一方の「女子力」の場合は、男性が求める理想の女性像を反映した男性本位の概念にもかかわらず、いかにも女性たちが自らの意思でそれを目指して努力している印象を与える言葉で、実は「ぶりっ子」よりもかなりタチの悪い😏、いや、胸糞悪い😤、なんならF*ck you!!!😡と叫びたくなるような言葉ではないでしょうか。

でも、一つ言えるのは、「女子力」という言葉に嫌気がさしている人はかなり多いということ。朝日新聞デジタルのフォーラムで「女子力」のアンケート結果が2回にわたって載っています。

http://www.asahi.com/opinion/forum/039/

http://www.asahi.com/opinion/forum/040/

投稿された意見を読んでいると、「女子力」に疑問を抱いているのは自分だけじゃないんだ、とすごく勇気が湧いてきました🌟

「女子力」が鬱陶しいと思っている女性の皆さん、飲み会などで料理を進んで取り分けるのは止めましょう。その代わり、重いものを運んだりする作業を率先してやりましょう。周りが「ん?」と思うような逆転の発想で行動しましょう。「女子力」の話題が出たら、思っていることを言ってみましょう。きっとおもしろい議論に発展すると思います。

いつか「女子力」をGirl PowerやWomen’s Powerと訳せる日が来ることを願って💪✊✨

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